大町民話の里づくり もんぺの会

八坂の民話

大姥山の金時

八坂の大姥山で山姥に育てられた金時。岩屋や川の名、神社にまつわる土地の伝承を、紙粘土人形とともに紹介します。

物語の土地:大町市八坂・上篭

大姥山の金時の紙粘土人形
大姥山の金時の紙粘土人形。松本武子・峯村徳子・仁科光子・新芝久子作。写真撮影:丸山隆士。

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昔、紅葉鬼人という赤い顔をした山姥が八坂の一角の一番高い山に棲んでいました。有明山の八面大王と恋仲になり、生れたのが金時でした。山姥が金時を育てた岩穴は、上篭の大姥山の急斜面中腹にあり、八坂の謎の岩屋として知られ、天井の穴は越後まで抜けていると言われています。

金時を産んだとき、岩屋の前に金襴の帯や色々な物が懸かったそうです。上篭の女の人が何事かと見に行くと血の雨を降らしたといいます。それから大姥様は女の人が嫌いで、女の人が足を入れると山が荒れると言われるようになりました。

上篭の産羅川には山姥が産湯を使った産池が残っています。山の反対側の左右地籍にも産池があります。

山は金時山ともいい、そこを流れる川を、金時と相撲を取った熊に因んで金熊川と呼びます。旧暦四月一日には、遠近の人々が集まって金時山大姥神社の祭りを催します。

大姥山のお宮には、虫切鎌と呼ぶ沢山の鎌が上がっていますが、これをお借りしてくると子どもの虫よけに効験があるといい、治ると鎌を二倍にしてお返しすることになっています。

このお話の出典

『民話が息づく紙粘土人形の世界』(大町民話の里づくり もんぺの会、2022年3月31日発行)より。民話解説:相澤亮平。公開中の写真集に掲載された解説を、そのまま紹介しています。

写真集の例言では、原典書名の付記がない民話は『北安曇郡郷土誌稿』(昭和5~12年、信濃教育会北安曇部会発行)に拠るとされています。

民話や伝説には、土地や語り手によって異なる伝え方があります。

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